遺伝子治療は正常細胞は傷つけることなくがん細胞の変異・欠損した機能を回復する治療です。
適応範囲が広くがんの予防やこれまで適応とならなかった末期のがん患者さまにも
適応可能な治療として大きな期待を集めています。
現在がんの治療法として確立されているのは、外科手術、放射線療法、化学療法でがんの標準治療とも呼ばれています。この標準治療は、がん細胞のみではなく正常な細胞も傷つけてしまうために苦痛が伴います。
遺伝子治療は、遺伝子の機能回復を図る治療で正常細胞は傷つけません。そのため、治療による身体への負担が少なく、痛みや副作用もありません。
抗がん剤や放射線の副作用を低く抑えながら治療効果を得ることができ、従来の治療を継続しながら遺伝子治療を加えることで、相互作用により高い効果を得ることも可能です。身体の状態が悪く従来の治療ができなかった患者さまにも新たな選択肢が広がります。
がんの根本治療として、早期のがん治療やがんの再発予防に有効であり、
標準治療ができない末期がん患者様でも治療を行うことができます
私たちの身体は、約60兆個の細胞からできています。細胞は細胞核の中にある遺伝子によって細胞の営みに必要な情報のすべてがプログラムされ、適切にコントロールされています。
そのため、細胞はダメージを受けても遺伝子の働きによって自己修復やアポトーシス(自死)をさせることができます。しかし、その遺伝子も同時にダメージを受けて壊れていた場合、これらの機能をうまく行うことができません。
遺伝子の損傷のために、壊れた状態のままの細胞をもとにして、適切な制御が行われないまま分裂・増殖を繰り返す状態ががんです。
多くのがんの根本的な原因は遺伝子の変異です。遺伝子の変異によりがん遺伝子とがん抑制遺伝子のバランスが崩れ、細胞が無限に増殖するようになったのが「がん細胞」です。
遺伝子治療では、
①がん細胞の増殖を促進する(がん遺伝子)の働きを抑えます。
②がん細胞の増殖を抑制する(がん抑制遺伝子)を導入し、抑制機能を回復させます。
がん遺伝子・がん抑制遺伝子の働きを正常化することでバランスを取り戻します。
細胞の増殖サイクルを止められたがん細胞では、本来細胞が持っているアポトーシスの仕組みが働き始め、結果として腫瘍が小さくなっていくことも期待できます。
治療は基本的に通院で行われます。点満を基本としながら、様々な投与方法をより効果的に組み合わせて行っていきます。腫瘍の部位や大きさにより治療可能な方法は異なります。
治療は1クール8回から12回程度が標準的です。副作用が少ないため、遠方の患者様などは短期間で治療を完了するために、毎日投与を行うなどの集中的な治療を行う場合もあります。
画像検査や血液検査の結果をもとに治療の評価をしていきます。必須ではありませんが、多角的な視点からの治療評価のために、オプションで遺伝子検査も行うことができます。
1日1回およそ30〜40分程度で終了します。
セカンドオピニオン
ご来院
治療プラン提示
(費用もご提示します)
治療同意
検査
※必要な場合もしくは、特にご希望された場合のみ
第一回治療
評価
患者様のご要望により、標準治療とのコンビネーション治療なども提案しています。抗がん剤や放射線治療との併用の場合、遺伝子治療と併用することでその効果を増強することが可能です。また、これらの投与量や照射量を低減し副作用を大幅に軽減します。
抗がん剤と遺伝子治療を併用することで、抗がん剤の投与量を減らしても効果を得ることが可能となります。これまで、病状や副作用の問題により、抗がん剤の適用ができなかったケースでも抗がん剤治療が可能となります。また、遺伝子治療を組み合わせることにより、がん細胞に耐性が生じるのを防ぎ、長く効果を得ることができます。
がん細胞のDNAを切断し、細胞分裂の機能を停止させる放射線治療においても、正常細胞への影響は不可避です。遺伝子治療を行ったのち放射線治療を行うことで、副作用を軽減したりその効果を高めたりすることが分かっています。遺伝子治療により投与される遺伝子が、放射線によって傷ついたDNAを修復し副作用を軽減します。放射線治療後の遺伝子治療も有効です。
※その他各種治療との併用も可能です。詳しくは専門医にご相談ください。