「思い込み」を最適化すると、楽になれる|那須塩原でプラセンタ、がん治療、心療内科なら、ホロス那須塩原クリニック

院長ブログ

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「思い込み」を最適化すると、楽になれる

不快な気分や辛い感情は、

外界の現象や状況によって引き起こされていると、

普通の人々は考えています。

前回のブログで、本当はそうではなく、

自分が抱いている思考習慣が、

外界の現象と矛盾している分だけ、

不快な気分を味わうのだと説明しました。

 

先日、ある患者さんが自分の苦しみを話されました。

自分がこんなに苦労して営業成績を上げているのに、

みんな自分の苦労なんて分かってくれていなくて、

簡単にやってのけていると思われていて、

それが辛いと言われました。

 

そこで、私は質問しました。

あなたは、社員の一人ひとりがどれだけ自分が苦労しているか

という悩みについて、きちんと聞いて理解していますか?

 

返事は「そういうことでしたか・・」でした。

 

ほとんどの人と言っていいほど、人は自分の悩みに精一杯で、

他人の悩みの分まで手が回りません。

でも、自分の苦労や苦しみを分かってくれて当然だ、

という思考や観念に取り憑かれると、

何で分かってくれないんだという苦しい感情が湧いてきます。

 

ふだん人間は思い込みで生きている、

と言っても過言ではないでしょう。

 

思い込みが生まれるのにも歴史があります。

何で自分がそう思うようになったのかを、よく考えてみると、

親からの教育、育った環境や人生経験などによって、

そのような思い込みや思考習慣が生まれたことに気がつくでしょう。

逆に言うと、自分をそのように「作り上げ」てきたわけです。

 

「思い込み」の思考方法を取らない職業があります。

コピーライターです。

彼らは、自分が何をいいたいのかを最優先に考えません。

ターゲットとしているユーザーや顧客が、

このような言葉を書くとどのように受け止めるかを考えて、

文章やコピーを書いています。

彼らは、言葉や思考について客観化をする習慣を持っている訳です。

 

自分の思い込みと、自分が出会っている出来事がズレていれば

そのズレている分だけ不快な感情が湧いてきます。

不快な感情をコントロールしたければ、

自分の思い込みや思考パターンに気づき、

客観的に見るようにしなければなりません。

 

「思い込み」は一つの思考習慣ですから、

それに気づいて意図的に変えようとしない限り、

不快な感情を抱き続けることになります。

習慣を変えるということは、エネルギー(努力)を必要とします。

例えば、ある一定方向に、慣性をもって飛び続けている物体があるとします。

その飛んで行く方向を変えようとするためには、

その慣性に逆らって、変えるべき方向へとエネルギーを加える必要があります。

 

人が習慣を変えるということも同様に、

エネルギーを必要とします。

ところが、変るという努力をしたがらない人々が多いことも

現実なのではないでしょうか。

面倒なわけです。

この不快な感情は、自分の内面から生じているなんて考えたくもないし、

相手のせいにしていたい、というのが人情かも知れません。

 

でも本当は違うのです。

その証拠に、不快な思いを相手のせいにしても、

自分の感情や気分は、ちっともよくならないことでしょう。

その面倒くさいことをやらないと楽にならないのです。

 

不快な感情を味わっていることを自覚し、

ある事柄に対して、その感情を引き起こしている

内面の思考パターンを書き出し、客観化して

矛盾している部分を改善し、ストレスを軽減する

という一連の手段を「思い込みの最適化」と

私は表現しています。

 

さっさと会社を辞める、きっぱりと出会っている人と分かれる、

距離を置くというのも一つの方法でしょう。

しかし無くなって欲しい眼の前にある出来事を、

消し去るのが難しいことの方が多いのではないでしょうか。

 

前回のブログで、時間がないのに

上司が仕事を振ってきたという例を挙げました。

 

Aさんは、「自分のことは自分でやるべきだ」という

観念に囚われ、上司に対して怒りを覚えています。

Bさんは、きちんと自分のことを相手に

伝えることができないいつもの自分を責め苦しみます。

この2人が抱いた怒りや責め苦しむという感情は、

それぞれの思考習慣がもたらしたものです。

それに対してDさんは、相手に自分のことを理解してもらい、

情報を共有するという思考習慣があるために、

余計なストレスとなるネガティブな感情を抱かずに済んでいます。

 

AさんやBさんが、自分の思考習慣に気が付いて、

客観化し思考の最適化をしない限り、

同様な場面に出くわすと、同じような感情を繰り返し

味わうことになります。

 

このクリニックでの患者さんへのカウンセリングは、

上記のような「思考の最適化」というスキルを用いることがしばしばです。

 

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